愛犬のごはん、散歩前と後ならどちらがいいの？と迷っていませんか？
散歩は食後の運動になると思っている方もいるかもしれませんが、実はそれ間違いなんです。
獣医学的には、犬にごはんをあげる正しいタイミングは、お散歩から帰った後です。
この記事では、犬のごはんは散歩後に行うべき理由と注意点を解説します。
犬のごはんは散歩後に済ませよう
愛犬にごはんを与える適切なタイミングは、ずばり「散歩の後」です。
軽く運動することで食欲が増し、偏食癖のあるわんちゃんも美味しくごはんが食べられます。
また、散歩後に食事をすることで、胃捻転や胃拡張などの病気になりにくくなります。
胃捻転や胃拡張は、胃が激しく動くことでねじれてしまい、激しい嘔吐やガス溜まりを起こす病気。
大型犬ほど発症しやすく、最悪の場合は命を落とす可能性がある病気で、食後の激しい運動は発症リスクを高めます。
さちかわ私たち人間も食後の運動は苦しいし、走ったりすると脇腹が痛くなるのと同じイメージです。
胃捻転・胃拡張になりやすい犬種は特に注意
胃捻転や胃拡張はどんな犬にも起こる病気ですが、特に胸の深い犬や大型犬はリスクが高いです。
例えば、ラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバー、シェパードや秋田犬なども注意しなければいけません。
また、ミニチュアダックスフンドやパグ、ビーグルなど、小型犬や中型犬でもなりやすい犬種があります。
散歩は食後2時間以上たってから
どうしても食後でないと散歩に行けない！という場合は、食後2時間たってから連れていきましょう。
犬は胃酸の働きが強いので、食後2時間たてば食べ物はある程度消化されて、腸に流れ始めていると考えられます。
胃のなかに食べ物がある状態だと、どうしても胃捻転や胃拡張のリスクがあるので、ここは徹底してください。
ちなみに、水のがぶ飲みも胃捻転や胃拡張のリスクを高めます。
食べ物でなければいいというわけではないので、暴飲・暴食にはくれぐれも注意しましょう。
過度な空腹状態の散歩は避けよう
とはいえ、あまりにおなかが空きすぎた状態での散歩も考えものです。
犬はおなかが空きすぎると黄色い胃液を吐くことがありますし、空腹状態では拾い食いのリスクも上がります。
胃捻転や胃拡張を気にするあまり、ひもじい思いをさせてしまうのは本末転倒ですよね。
もし愛犬が空腹すぎて、散歩前にごはんを欲しがる場合は、おやつやごはんを軽くあげること。
ドライフードなら数粒、おやつなら1～2欠片くらいを目安にあげると、愛犬も散歩に集中できるでしょう。
大きいおやつは小さくカットして、のどにつまらないようにしてからあげてください。
糖尿病の犬は空腹時の運動で低血糖を起こす可能性もある
糖尿病の犬では、血糖値が低いときに運動をすると、低血糖を起こす可能性があります。
運動は血糖値を下げる作用がありますが、インスリン量を正常に調整できない糖尿病の犬は、血糖値が下がりすぎるかも。
糖尿病の犬の場合、起きてすぐの散歩や空腹時の運動は避けたほうが良いといえるでしょう。
ダイエットには食後の散歩がいいって聞いたけど…
ダイエット目的で運動するなら、食前よりも食後が良いという説がありますが、医学的根拠はありません。
このように言われている理由としては、空腹状態は体が省エネモードになっているため、脂肪が燃焼されづらいからだとか。
しかし、この仮説はあくまで人間に対するものであり、犬の代謝や健康に考慮されたものではないので、要注意。
そもそも犬が運動で痩せるには相当な時間・量を必要とするため、ダイエットは食事で行うのが基本です。
胃捻転や胃拡張のリスクを考えても、犬の散歩は必ず食前に行くようにしましょう。
犬の散歩時は基本的に食事の前に済ませよう
- 犬の散歩は食前に行う
- 胃捻転・胃拡張には注意
- 食後の運動は2時間程度空けてから
- 数粒のフードやおやつなら散歩前にあげてもOK
犬の健康を考えるなら、散歩は食事の前に済ませておくのがベストです。
もしどうしても食後の散歩をしたい場合は、胃内で食べ物が消化されるまで、約2時間ほど待ちましょう。
愛犬が心から散歩を楽しめるように、行くタイミングはしっかり考えておくことが大切ですよ。
