L-カルニチンは、脂質をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。
リジンとメチオニンという必須アミノ酸から作られる成分で、筋肉に多く存在します。
L-カルニチンを作る機能は加齢に伴い低下していくので、高齢犬ほど摂取するメリットがありますよ。
この記事では、L-カルニチンが含まれるドッグフードと期待できる効果、摂取する際のポイントを紹介します。
L-カルニチンが含まれるドッグフード5選
L- カルニチンは、動物性原料に少なからず含まれています。
つまり、肉や魚が原料のドッグフードであれば、原料欄に明記されていなくても、普通に含まれているということ。
ほとんどのフードでは特に明記されていませんが、ダイエット用のフードの場合は、あえて記載してある商品もあります。
ここでは、L-カルニチンを多く含む原料「ラム肉(羊)」や「マトン(子羊)」を使ったドッグフードを5つ紹介します。
アランズナチュラルドッグフード・ラム
アランズは、イギリス産のラム肉を40%使用したドッグフードです。
原材料は8種類で、すべて人も食べれる良質な原料のみを使用しているのが特徴。
ラム肉をたっぷり使用したグレインフリー(穀物不使用)のフードなので、穀物アレルギーの犬も安心です。
プラぺ(ラム&リンゴ)
プラぺ(ラム&リンゴ)は、ウェールズ産のラム肉を50%使用したドッグフード。
低GI値食品のサツマイモを使用していて、食後の血糖値が急激に上がる心配はありません。
メインはリンゴで、そのほか野菜とスーパーフードを組み合わせたお手頃価格のドッグフードです。
キアオラ(ラム&レバー)
生後12ヶ月未満の幼羊を使った、栄養たっぷりのドッグフードです。
ビタミンB1、B2、Eも豊富に含まれており、オメガ3と6脂肪酸バランスも良し。
穀類を使用せず、動物性たんぱく源は「単一肉原料+フィッシュミール」だけなので、食物アレルギーにも配慮されています。
プレイアーデン(グルメ)
ラム肉をベースにした、低脂肪なドッグフード。
鶏肉や大麦、米などを配合することで、バランスの良い栄養バランスに調整されています。
粒のタイプは通常と大型犬でも噛みごたえ十分な大粒の2種類があるので、愛犬に合ったものを選べるのが嬉しいです。
K9ラム・フィースト
K9ナチュラルは、原材料の99%以上に自然食材を使用したドッグフード。
栄養や風味を最大限に生かすため、原材料の加工を最小限に抑え、非加熱で製造しています。
穀類・イモ類・豆類などの原材料を一切、使用していないので、1粒1粒が柔らかく、簡単にほぐせるのが特徴。
本来の食事に近づけるため、与える際は水かぬるま湯(37℃以下)を加えてください。
より効果的にL-カルニチン入りのフードを摂取するポイント
L-カルニチンを含むドッグフードを与えるなら、一定の運動を維持することが大切。
脂質の代謝は筋肉量が多いほどスムーズに進みますし、運動をすることでL-カルニチンの活性が高まります。
L-カルニチンの効果を最大限発揮するためにも、毎日の散歩や遊びを通して、愛犬の運動量を一定に保ってあげましょう。
ダイエットをする時は、L-カルニチンを多く摂取するってことだね。
そう。L-カルニチンを補充することで、体についた脂肪が燃焼されやすくなるよ。
L-カルニチンの効果3つ
ここでは、L-カルニチンの摂取によって期待できる効果を3つ説明します。
運動能力向上
カルニチンは犬の筋力を増加させ、運動能力を高める可能性があるともいわれています。
1991年Dubelaarらによって行われた調査では、L-カルニチンを投与した犬の広背筋が、瞬間的に通常より34%も上昇したとのこと。
これは、筋肉そのものではなく、L- カルニチンが脂肪酸の取り込みを促進した結果と推測されています。
L-カルニチンは、筋肉へのダメージを減らす作用も期待できるのだとか!
ダイエット効果
犬の体重管理にも、L-カルニチンは役立ちます。
脂質を燃焼させるためには、適量のL-カルニチンが筋肉に存在する必要があります。
しかし、老犬ではL-カルニチンの不足によって、脂質をエネルギーに代謝することが難しくなります。
そのため、若いころと同じような生活をしているにもかかわらず、肥満になりやすくなってしまうのですね。
ダイエットの傍ら、L-カルニチンを含むドッグフードで脂質代謝をスムーズ化することで、無理のない減量が期待できます。
太りぎみの犬におけるL-カルニチンの作用
アイムス社は、太りぎみの犬を2つのグループに分けて研究を行いました。1つのグループの犬にはL-カルニチンを加えた食事を給与し、もう一方のグループの犬には、L-カルニチンを加えない食事を給与しました。7週間後、L-カルニチンを加えない食事を摂取したグループの犬は体重が1.8%減少したのに対し、L-カルニチンを加えた食事を給与したグループの犬には6.4%の体重の減少が見られました。体脂肪は、前者が2.4%減少していたのに対し、後者は 4.6%減少していました。 このように、L-カルニチンは太りぎみの犬の体重と体脂肪の減少を促進します。 太りぎみの猫における研究でも、L-カルニチンは体重減少の促進させることを示唆しています。
心臓・肝臓のサポート
L-カルニチンは、心臓や腎臓の機能をサポートする働きがあります。
1997年に海外で行われた研究で、タウリンとL-カルニチンの補給により、心臓のエコーの測定値に改善がみられたのだとか。
詳細についてはまだ研究中ですが、L-カルニチンは犬の健康維持に大きくかかわる栄養素といえるでしょう。
なお、肥大型心筋症の犬では、体内のL-カルニチン量が少ないことがわかっています。
特に、ボクサー、コッカースパニエル等の犬種は、遺伝的に体内のL-カルニチンが不足しやすく、心筋症のリスクも高め。
日常的にL-カルニチンを含むドッグフードを与えることで、心機能の改善や肝性脳症の予防も期待できるかもしれません。
L-カルニチンを含むサプリ4選
ドッグフード以外でL-カルニチンを摂取するには、サプリメントという選択肢もあります。
今のドッグフードはそのままに、L-カルニチンを摂取したい場合はサプリがおすすめ。
ダイエットフードや老犬用フードを食べていてもあげられるので、使い勝手も良いでしょう。
ここでは、L-カルニチンを含むサプリメントを4つ紹介します。
ダイエッドッグ(DHC)
DHCから発売されている国産サプリメント。
BCAAやアルギニンなど、ダイエット効果が期待できる栄養素も含まれています。
1粒当たり5㎎のL-カルニチンが含まれていて、砕いてフードなどに混ぜたり、そのまま与えたりできます。
毎日健心(ithpety)
国産の、犬猫用心臓サプリメントです。
ミルク味の粉末タイプで、心臓の健康維持に必要な7つの栄養成分を配合。
付属スプーン2杯当たり2gのL-カルニチンが含まれています。
おやつサプリ健康サポート(Vets Labo)
犬用の国産サプリメントで、健康に配慮した新しいタイプのおやつです。
L-カルニチンをはじめ、目の健康を維持するアスタキサンチンやオメガ3脂肪酸などを配合。
スーパーフードのチアシード配合で、満腹感アップや整腸作用も期待できますよ。
プラスアップメンテナンス(ナチュラルハーベスト)
代謝を高めるダイエットアミノ酸を配合した、犬用のサプリメントです。
L-カルニチンのほか、やまいも、高麗人参、グルタミンペプチド、秋ウコンなど26品目以上の機能性食品を配合。
ミルク風味の粉タイプで、ドッグフードにふりかけて与えます。
まとめ
L-カルニチンは、犬の健康にとって欠かせない栄養素です。
若いうちは意識しなくても大丈夫ですが、加齢によって体重が増えたり、心臓に不安がある場合は、摂取を検討して。
今回紹介したドッグフードやサプリメントなど、愛犬に合いそうなものを取り入れてあげてくださいね。