お正月の飲み物といえば、甘酒。
独特の風味が魅力的な甘酒ですが、犬にあげても大丈夫なのでしょうか?
実は甘酒には2つの種類があり、犬にあげて良いものと良くないものとがあります。
この記事では、犬に与えていい甘酒の見分け方や犬に与えた際に期待できる効果、正しい与え方や適切な量を解説します。
与えてはいけない犬や甘酒の作り方、市販で買えるおすすめの犬用甘酒も紹介するので、犬に甘酒を与えたいと思っている人はぜひ参考にしてくださいね。
犬に甘酒を与えても大丈夫?
結論から言うと、「米こうじで作られた甘酒であれば犬に与えても大丈夫」です。
甘酒には米こうじが原料のものと酒かすが原料のものがあり、アルコールが含まれているかいないかという違いがあります。
甘酒に含まれるアルコール成分は微量ですが、身体の小さな犬にとっては健康トラブルのもと。
急性アルコール中毒を起こして体調を崩す可能性があるため、酒かすの甘酒は絶対に与えないようにしましょう。
酒かすそのものには約8~10%のアルコール分が含まれています。
ほとんどは加熱の段階で飛びますが、おおむね1%未満のアルコール分は残るので、注意しましょう。
ノンアルコールと書いてあればいいの?
酒かすが原料の甘酒でも「ノンアルコール」と書いてあれば犬にあげてもいいの?
答えはNOです!
日本には酒税法という法律があり、「酒」と表記しなければいけないものは「アルコール度数が1%以上のもの」と決まっています。
逆にいえば、アルコール分が1%未満のものは酒と表記できず、「ノンアルコール飲料」となります。
たとえノンアルコールと書いてあっても、原料に酒かすが入っている甘酒は愛犬に与えないようにしてください。
人間用と犬用、どっちがいい?
米が原料・砂糖不使用であれば、人間用でも犬用でも好きなほうを与えて構いません。
与える際は必ず原材料をチェックして、犬にとって有害な食材が入っていないかよく確認しましょう。
なお、人間用は味が濃いものも多いため、気になる場合は犬用を選んだほうが良いかも。
おすすめの犬用甘酒は記事後半で紹介しているので、良ければチェックしてみてくださいね。
甘酒に期待できる犬への効果
甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養価が高い飲み物。犬にとっても良い効果が期待できます。
甘酒を与えることで期待できる主な効果は、以下の3つです。
- 疲労回復
- 栄養の効率的な補給
- 腸内環境を整えてくれる
甘酒には、脳のエネルギーになるブドウ糖や整腸作用のある食物繊維・オリゴ糖がたっぷり含まれています。
栄養素の代謝・吸収に必要な酵素も300種類以上含んでいるため、わんちゃんのライフステージを問わずおすすめできますよ!
甘酒100gあたりの栄養価
エネルギー(カロリー) | 81kcal |
たんぱく質 | 1.7g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 18.3g |
ナトリウム | 60mg |
カリウム | 14mg |
マグネシウム | 5mg |
リン | 21mg |
ビタミンB6 | 0.02mg |
葉酸 | 8μg |
持病があっても甘酒は与えられる?
ご存じの通り甘酒は薬ではないので、過度な期待はできません。
ですが病気予防や健康サポートとしても魅力が高く、持病がある犬こそ飲んでほしい飲み物といえます。
腎臓病の犬
腎臓病の犬では味覚障害や食欲不振、低栄養、免疫力の低下などがみられます。
甘酒には腸内環境を整えてくれる食物繊維やオリゴ糖が含まれており、腸からの栄養吸収をスムーズにしてくれます。
なお腎臓病の犬はミネラルの一種であるリンを制限する必要がありますが、甘酒に含まれるリンは多くないため多量に摂取しなければ大きな問題はありません。
肝臓病の犬
甘酒には肝臓の働きをサポートする働きがあるといわれています。
甘酒の原料である米こうじには、犬の健康維持や老化防止に役立つペプチドを生産する働きがあります。
ペプチドには肝細胞をはじめ、さまざまな細胞を強化する作用があるため、積極的に摂取したい栄養素といえるでしょう。
てんかんの犬
甘酒に含まれるビタミンB6は神経伝達物質の合成に関わる栄養素であり、健康な脳を維持するために必要不可欠な成分です。
てんかんを患っている犬では脳へのブドウ糖吸収がうまくいかず、通常の犬にくらべて取り込める量が少ないため、甘酒のようにブドウ糖の含有量が多い飲み物は貴重な栄養源。
すばやくエネルギー源として使うことができるので、食欲のない時には重宝します。
心臓病の犬
心臓病の犬では、ナトリウムとリンの摂取量を制限する必要があります。
甘酒の場合、リンはそれほど多くありませんが、ナトリウムの量は普通~やや多め。
あげすぎは心臓に負担をかけるので、食欲がないときや体力が落ちている時など限定的に与えると良いでしょう。
犬の甘酒の与え方
犬に甘酒を与えるときは、人肌程度に温めてあげるのがおすすめ!少し温めることで風味が立って食欲をそそりますし、お腹にも優しくなりますよ。
ただし、「温かいほどおいしいだろう」とアツアツに加熱してしまうのはNG。
温度が上がりすぎるとせっかくの酵素が壊れてしまいますし、舌を火傷する可能性もあります。
運動後や特別な日のおやつ、食後のデザートして与えてあげましょう。
犬に甘酒を与えるときの注意点
犬に甘酒を与えるときは、いくつかの注意点があります。
栄養豊富な甘酒ですが、与え方を間違えるとかえって犬の体調不良やトラブルを引き起こす可能性も。
愛犬の健康トラブルを防ぐためにも、甘酒を与えるときの注意点はしっかり押さえておきましょう。
量
甘酒の適量は愛犬の大きさによって異なるので、必ずチェックして。
- 小型犬:小さじ5杯程度
- 中型犬:大さじ5.3杯程度
- 大型犬:大さじ10杯と少し程度
※同じ分類の犬でも体重はさまざまなので、あくまで上記は目安です。
頻度
いくら体にいいからといって、毎日1日に何回も与えるのはNG。
毎食後与えるのではなく、1日に1回夜だけ、と決めるなど、マイルールを作りましょう。
サプリメントなどと同じで、1度にたくさん与えるよりも少量を継続して与えることが健康サポートのひけつです。
アレルギー
あまり多くはありませんが、なかにはお米にアレルギーを持つ犬もいます。
初めて愛犬に甘酒を与えるときは必ず少量を味見程度にし、その後半日程度は変わった様子がないか観察しましょう。
もし口周りの赤みや下痢、身体のかゆみなどが現れた場合は食物アレルギーの可能性があるため、今後与えるのは避けてください。
与えてはいけない犬は?
以下の犬には甘酒を与えるのは避けましょう。
- 肥満
- 糖尿病
- 悪性腫瘍
甘酒はカロリーが高いため、肥満の犬に与えると更に太ってしまう可能性があります。
肥満はさまざまな病気の原因になるため、なるべく早くダイエットをして適正体重をキープすることが大切です。
また、甘酒の主成分はブドウ糖。
ブドウ糖は体の重要なエネルギー源ですが、糖尿病のように血糖値のコントロールをすべき犬に与える際は注意が必要です。
ブドウ糖はがん細胞のエサになるため、ガンの進行を早める恐れあり。
過度に心配する必要はありませんが、がん治療中は念のため避けたほうが良いでしょう。
愛犬専用!甘酒の作り方・レシピ
甘酒は自宅で作ることもできます。
愛犬が飲んでくれるか分からない、いきなり市販品を買うのは不安…という方は、ぜひ甘酒を手作りしてみては?
シンプルかつ簡単な甘酒レシピを見つけたので、こちらで紹介します。
米(おかゆ)に米こうじを加えて約60℃の温度を保ち、数時間発酵させるのが基本的な甘酒の作り方です。
炊飯器でも簡単に作れるので、寝る前にセットしておくだけで出来上がります。
できあがった甘酒は冷蔵庫か冷凍庫で保存しましょう。
お手軽でおいしい♪おすすめ犬用甘酒・市販品4選
みんなが買ってる犬用甘酒はなんだろう?
ここでは、飼い主さん人気が高い甘酒を4つ紹介します。
こまちな
アクシエ
発酵のめぐみ
まとめ
- 犬には米こうじで作った甘酒をあげよう
- 悪性腫瘍や米アレルギーがある犬には与えない
- 甘酒は栄養豊富でさまざまな効果が期待できる
- カロリーが高いため、量・頻度はしっかり決めること
はじめて与えるときは少量で様子をみてくださいね。
毎日の生活に甘酒を取り入れて、愛犬の健康をサポートしてあげましょう!