飼い主さんなら誰しも、「愛犬にいつまでも健康で長生きしてほしい」と願うもの。
食事と長生きは密接な関係があり、良い食事をしていれば寿命が延びますし、良くない食事をしていれば長生きは難しくなります。
ここでは、どんな犬にも手作りドッグフードがおすすめの理由を解説します。
食事と寿命の関係性
私たち人間にとって食事は体作りの基本ですが、それは犬にとっても同じこと。
ベルギーのジェラルド・リッパー獣医師ら研究チームは、食事は犬の寿命に大きく影響を及ぼすという仮説を立てました。
実際、その後の研究によって「手作りごはんを食べていた犬は通常より3年も長生き」という傾向が分かったのです。
PETOKOTOより参照
これは完全な手作りごはんだけでなく、フレッシュタイプのドッグフードも含まれます。
ちなみに、従来のドッグフードとはいわゆるカリカリのこと、つまりドライフードですね。
食事の違いで3年近くも寿命に差がでたのはなぜ?
ですが、どうして食事の違いだけで3年もの差が出たのでしょうか?
ドライフードには高温加熱や成型の際に栄養が失われる・余計な添加物が入っているなどの問題があります。
その点、手作りのドッグフードは高温加熱や成形がされておらず、食材の栄養価が過剰に失われることもありません。
水分量もかなり多く、ドライフードよりも吸収率・消化率が高いので、効率的に食事の栄養を取り入れることができます。
ドライフードにも様々なメリットはありますが、水分量・消化率は圧倒的に手作りごはんのほうが高いんです。
手作りごはん・手作りドッグフードのメリット
- 嗜好性が高い
- 効率的な水分補給ができる
- 柔らかくて食べやすい
- 低脂肪・低カロリー
- 胃腸に優しく消化しやすい
- 酸化防止剤などの添加物不使用
手作りごはんには、ドライフードには無いメリットがたくさんあります。
もちろんドライフードにもメリットはありますが、単純にメリットの数でいえば手作りごはんの圧勝!
本当の意味で愛犬の健康を守りたいと思うなら、手作りごはんや手作りドッグフードを選ぶべきといえるでしょう。
とにかく水分!水分補給が大切
発展途上である犬の栄養学ですが、ひとつだけ確かなことがあります。
それは「水分不足はよくない」ということ。
私たち人間と同じように、犬の体の約60~70%は水分でできています。
水は、体温・塩分調節や食物の消化、不要な物質の排出など、様々な生命活動に関与しています。
ですが、ドライフードの水分量は10%以下と、明らかに水分量が足りていません。
最近は室内飼いが一般的になり、運動不足から更に水分摂取量が不足しているのです。
慢性的な水分不足は様々なトラブルを引き起こす
胃や腸で吸収された水分は、血液の一部となって全身を巡り、細胞へ届けられます。
血中の水分量が不足してしまうと、犬の血液はドロドロ状態になり、血流が悪くなることに。
細胞への水分供給が十分にできず、細胞が脱水状態を起こしてしまうため、常に疲れを感じるようになります。
また、水分不足で消化管の血流が悪化すると、消化・吸収の働きがスムーズにできなくなります。
消化・吸収の働きが弱ると食が進まなくなり、更に水分不足と栄養不足のダブルパンチで疲労が重なっていく…。
こうして、現代に暮らす犬達は水分不足と疲れのループにはまっていってしまうというわけですね。
ネットの情報は真偽不明なものも多いので注意
少し話がそれますが「犬は肉だけ食べればいい」「穀類は必要ない」「グレインフリーフードが良い」といった意見を聞いたことはありませんか?
確かに、犬はもともとオオカミとして暮らしていたので、肉だけ食べればいいと感じるかもしれません。
ですが、犬の雑食性は人との暮らしで徐々に強化されているので、単純にオオカミと同じ食事で良いと考えるのはNG。
穀物アレルギーの犬はグレインフリーのフードを選ぶべきですが、通常は過度に穀物を避ける必要はないのです。
現在の獣医学において、「犬は何を食べるべきか」ということは、少しずつ明らかになってきました。
ネット上には真偽不明の情報が色々載っているので、正しい情報をもとに、適切なフード選びを行っていきましょう。
そもそも野生では動物を食べる=その動物の胃に入っている食物も摂取できるため栄養不足にはなりません。対して肉だけ食べている犬は栄養不足で体調不良を起こす可能性もあるため、注意が必要です。
ドライフードは本当に最良の選択なのか
ここまで読んできて「ドライフードを食べていても長生きの犬はいるよね?」と考えた方もいるかもしれません。
確かに、ドライフードが広まったことで犬の平均寿命は何倍も伸び、残飯を食べていた時代とは雲泥の差になりました。
ですが、だからといって現在の平均寿命が最善であるとは限りません。
犬はもっと長生きできるポテンシャルを持っていますし、大切な愛犬にはできるだけ健康で長生きしてほしいですよね?
食事や栄養に関する意識が高まっている今だからこそ、犬の平均寿命を延ばす取り組みをすべきだと考えます。
あと数年後には「犬の寿命は平均20年です」なんていわれる、幸せな未来が来るかもしれません。
手作りドッグフードのデメリットはとにかく値段
とはいえ、手作りドッグフードは決して安い値段ではありません。
1kgあたり数百円のフードを買っていた方からすると、価格面で躊躇してしまうこともあるでしょう。
ホームセンターやスーパーなど量販店で売っている安価な商品に比べると、2〜3倍の価格になる場合もあります。
とはいえ、完全な手作り食は栄養バランスが気になる・手間がかかるなどの問題もあります。
個人の考え方によって「高い・安い」という感覚は変わります。
ですが、私としては「家族の食費」として考えたときに高いと思うか?を基準に考えてほしいと思っています。
手作りドッグフードなら、1食あたり300円程度で愛犬の喜ぶ姿がみれ、健康維持にもつながります。
健康な状態をキープできれば動物病院にかかる頻度も減ることを考えると、かえってコスパが良いと感じませんか?
安いドッグフードにはそれなりの理由がある
なお、ドッグフードの良し悪しは価格で決まるわけではありません。
安いからといって絶対に悪いとは限りませんし、逆に高ければ良いというわけでもありません。
ですが、安いには安いなりの理由があるので、リスクについて検討する必要があります。
- 栄養バランスに偏りがある
- 使われている食材の質が悪い
- 不必要な添加物が含まれている
なんてことなく感じるかもしれませんが、私たちの数倍小さい犬達にとって、これらは大きな負担。
安いドッグフードは必要最低限の栄養しか摂れなかったり、逆に栄養を摂り過ぎてしまう可能性があります。
とはいえ、インターネット上でよく言われている「4Dミート」や「添加物」への過剰な煽りは、本気にしてはいけません。
過度な煽りはいたずらに不安を生むだけなので、サイト運営者やフードメーカーも改善してほしいものです…
愛犬の犬生をもっと豊かに、更に幸せに
すべての犬にとって、水分たっぷりの手作りごはんはおすすめの食事です。
普段のドライフードに1品トッピングをつけるだけでも、愛犬の顔つきや日々の様子に変化があると感じられるはずですよ。
忙しく時間が取れない方や栄養面が不安な方は、ぜひ手作りドッグフードを活用しましょう。
手作りドッグフードはけっして安い値段ではありません。
ですが、一切の手間をかけずに、かつコーヒー1杯の値段で愛犬の健康な未来が作れるのは、とても大きな魅力です。
愛犬との幸せな日々が一日でも長く続く未来を目指して、ぜひ今日から行動に移してみてくださいね。