この前獣医さんから「リパーゼが高いですね」といわれたんです…
いえ、この数値だと療法食と薬で様子をみようといわれましたが…
この記事では、愛犬のリパーゼが高いといわれた時にできる対処法を解説します。
飼い主さんご自身が取り組める食事ケアを中心に紹介するので、参考にしてみてくださいね。
リパーゼが高い=膵炎?
リパーゼが高い=膵炎ってネットで見たんですが、やっぱりそうなんでしょうか?
そうとも限りません。膵炎の診断は、リパーゼだけで決まりませんから。
そもそもリパーゼとは、食事から摂取した脂質を分解する酵素のことです。
膵臓で作られたリパーゼは十二指腸に分泌され、脂質の消化吸収をサポートしてくれます。
ですが膵炎などで膵細胞が壊れると、リパーゼは血液中にたくさん出てくるようになり、血液検査で異常を示します。
リパーゼが高くなる要因
- 肥満
- ストレス
- 胃腸炎
- 膵炎(急性・慢性)
- すい臓がん
- 高脂血症
- 腎臓病(腎不全)
- 薬の副作用
そう。リパーゼは様々な理由で上昇するので、必ずしも病気ではない可能性もあるのです。
関連>>「腎臓病の犬の食事まとめ|ドッグフードの選び方・療法食・サプリ」
生まれつきリパーゼが上がりやすい犬種も
アメリカン・コッカースパニエルなど、生まれつき脂質代謝が苦手な犬は、リパーゼが上がりやすいです。
小さい頃からリパーゼが高かったり、特に目立った症状がない場合は、もともとの体質と考えることもできるのですね。
このほか、脂質代謝が苦手な犬としては、キャバリア、コリー、ボクサーなどが挙げられます。
どうすれば膵炎かどうか判断できる?
リパーゼ上昇の原因が膵炎かどうか判断するには、血液検査や超音波エコーが必要です。
血液検査では、ALPやCa、アルブミン、CRPなどの数値もリパーゼとともに高く出ているかチェックします。
また、別検査である「犬膵特異的リパーゼ」を調べることで、より正確な診断をつけやすくなります。
ちなみに、愛犬に下痢や嘔吐など、気になる症状はありますか?
いや特に…この数値で症状が出てないのは不思議とは言われましたが…
なるほど。膵炎の場合、急性・慢性ともに少なからず異変が出ているはずなので、膵炎ではないと思いますよ。
犬の膵炎の症状
- 食欲不振
- 元気消失
- 下痢・嘔吐
日常生活や食事で気をつけることは?
リパーゼが高いといわれていても、特に症状がないのであれば、過剰な心配はしなくて大丈夫。
規則正しい生活とストレスのない環境作り、栄養バランスの整った食事をさせることがもっとも大切です。
肥満やストレスは万病のもとなので、愛犬の健康管理・体重コントロールは日々意識して取り組むようにしましょう。
たかが肥満やストレス、されど肥満やストレスです!
脂質の多いドッグフードは避けよう
脂質の多いドッグフードは、犬の膵臓に負担をかけます。
室内飼育で運動量もそれほど多くない成犬・老犬には、脂質が少なめのドッグフードを与えましょう。
特に、コッカーやキャバリアなど脂質代謝が苦手な犬種には、基本的に低脂肪のドッグフードを選ぶことが大切です。
先生から勧められた療法食をしばらく与えて様子をみたり、おやつを脂質低めのものに変えたりしてみてくださいね。
膵臓に負担をかけない食事って?
リパーゼが高い場合、フード以外の食べ物で注意することってあるんでしょうか?
そうですね。脂っこくなければ基本はOKですが、以下の食べ物は膵臓の負担になりにくいですよ。
犬の膵臓に負担が少ない食べ物
- おかゆ
- 白身魚
- ささみ
- 豆腐
- 野菜スープ
- 卵
膵臓に良い食べ物とは、「胃に優しく脂分が少ないもの」です。
ヘルシーでダイエット向きの食べ物が、犬の膵臓には良いと考えると良いでしょう。
野菜は細かく刻んだり、柔らかく煮込んだりして、すい臓の負担がさらに減るよう工夫してあげてくださいね。
関連>>「犬の手作りご飯にも野菜を!おすすめ野菜・調理法・食べない時の対処法」
定期的な血液検査で経過をチェックしよう
現時点で症状がなくても、経過を観察することは大切です。
膵炎を放っておくと、すい臓が委縮して元の状態に戻らなくなってしまうことがあります。
膵臓の消化液が分泌できなくなったり、糖尿病を併発するおそれもあるので、年に1~2回は血液検査を受けましょう。
リパーゼの数値が上がっていないか、他に異常値の項目がないか、しっかりと把握しておいてくださいね。
元気な時の様子を覚えておき、些細な変化にもすぐ気付けるようにしておきましょう。
犬のリパーゼが高い時のまとめ
愛犬のリパーゼが高いからといって、必ずしも膵炎を起こしているというわけではありません。
現時点で特に症状がなく、元気に過ごしているようであれば、生活習慣やフードの見直しを行う程度で大丈夫です。
生まれつき脂質代謝が苦手な犬種や運動量が少ない犬には、低脂肪なドッグフードを与えるようにしましょう。
愛犬の膵臓への負担が少しでも軽い食事・生活を心がけておきましょう!